3方を東シナ海・有明海・八代海が囲む、熊本県南西部の天草灘。
その風光明媚さ、解放的な美しさはかねてより人々を魅了してやみません。
青い海に浮かんだ大小の島々が織りなす、日本情緒をたたえた眺めはまさしく絶景。
イルカウォッチングも一年中人気です。
そんな自然の恵みあふれる豊かな地に、『天草の塩』のふるさとはあります。
対馬海流の影響で、一年中比較的温暖な天草。このエリアを象徴するものといえば、やはり点々と浮かぶ岩礁や断崖を従えた青い海でしょう。さながらその風景は一幅の絵画のよう。海水は日本屈指の透明度を誇り、海中ではめずらしい形状・色彩のサンゴや海藻類が見られます。また水揚げされる魚介類の豊富さや美味しさ、それに真珠の産地としても全国的に有名。1970年には日本初の『海中公園』にも指定されました。夏になると、とくにマリンスポーツを始めとしたレジャー客で賑わいます。
天草は、キリシタンの文化と「島原の乱」に代表される哀史が残る土地です。初めてキリスト教がもたらされたのは宣教師アルメイダが招かれた1566年。以来、天草では豊かな南蛮文化が花開きます。1589年には島内に25,000人もの信者が存在したとか。そうした面影は、今も島内各所に現存する教会などに見られます。なかでも海辺の漁師町に教会がそびえる﨑津は、独特の風情で人気の観光スポット。2018年7月には「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産として、世界文化遺産にも登録されました。